映画評「笑国万歳」

[製作国]アメリカ  [原題]THE WIZARD OF OZ  [製作・配給]チャドウィック・ピクチャーズ・コーポレーション

[監督・製作・脚本]ラリー・シーモン  [製作総指揮]I・E・チャドウィック  [原作]L・フランク・バウム  [脚本]フランク・ジョスリン・バウム、レオン・リー  [撮影]フランク・B・グッド、ハンス・F・キーネカンプ、レナード・スミス  [編集]サム・ジンバリスト  [美術]ロバート・スティーヴンス

[出演]ラリー・シーモン、ドロシー・ドゥワン、メアリー・カー、ヴァージニア・ペアソン、オリヴァー・ハーディ

 カンザスの農園に住むドロシーは、18歳の誕生日に、ある国の王女であることが分かる。王女を待ちわびる人々と、王女に権力を奪われることを恐れた大臣たちの間で、ドロシーをめぐる争いが繰り広げられる。

 「オズの魔法使い」を原作にしたとされているものの、コメディとして製作されており、ストーリーは原作から遠く離れたものとなっている。当時、人気コメディアンだったシーモンが監督・製作・脚本も担当し、90分を超える時間を費やされた、気合いを感じさせる作品である。

 追いかけっこや蹴ったり殴ったりといったオーソドックスなスラップスティックに加え、高所からのジャンプや爆破などのアクション性の高いシーンが織り込まれた、シーモンらしい作品となっている。だが残念ながら、90分を楽しく持たせる構成にはなっておらず、中途半端な作品となってしまっている。