映画評「BIG RED RIDING HOOD」

[製作国]アメリカ  [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]レオ・マッケリー  [製作・脚本]ハル・ローチ

[出演]チャーリー・チェイス、マーサ・スリーパー、イヴリン・バーンズ、ハーディー・カークランド、ノア・ヤング

 「BIG RED RIDING HOOD」というタイトルの本のスイス語への翻訳の仕事を得たジミー。だが元となる英語の本を買う金がなく、仕方なく立ち読みをするが、本が売れてしまう。チャーリー・チェイスがジミー・ジャンプの役名で主演したコメディ・シリーズの1つ。

 本が売れた後の展開が面白い。本を買った男は、車の後部座席に本を置く。ジミーは最後まで読み通すために、自転車で車の横にピッタリとつけて本を読み続けるのだ。途中で銃撃戦になろうとも、車が事故に遭いそうになろうとも、ジミーはとにかく本を読み続ける。最後は車と一緒に桟橋から海に落ちるのだが、そこでようやくジミーは読み終わり、自分が海に沈みそうなのを知るのだ。

 車を使ったギャグも、桟橋から車が落ちるというギャグも、スラップスティック・コメディでは多く見られるものだ。だが、この作品では、「本を読み続ける」という目的が加わることによって、一風変わったギャグとなっている。