映画評「WHAT PRICE GOOFY?」

[製作国]アメリカ  [製作]ハル・ローチ・ステゥディオズ  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]レオ・マッケリー  [製作・脚本]ハル・ローチ

[出演]チャーリー・チェイス、キャスリン・グラント、ルシアン・リトルフィールド、ジェーン・シャーマン

 夫ジェイミソンの浮気を疑っている妻。野良犬を連れて帰ったジェイミソンを置いて妻が出て行ってしまう。妻は戻ってくるが、折悪くジェイミソンを訪ねてきた友人の知り合いである女教授と夕食会を開くことになる。また浮気を疑われることを恐れたジェイミソンは、泥棒に入ってきた男を教授に仕立て上げる。

 チャーリー・チェイスの作品は、この頃になると徐々に設定の複雑が増してくる。ジェイミソンが教授を女性と知らずに家に上げてしまうという展開は、ストーリーとして必要不可欠ではないものの、状況を面白くするためのスパイスとなっている。また、同じバスルームを使おうとするのだが、絶妙なタイミングでジェイミソンと女教授が会わないといったギャグにも活きている。

 ジェイミソンが連れ帰った犬は愛嬌たっぷりで可愛いし、何よりも忠実だ。さらには、ジェイミソンが物を隠して犬が見つけるという遊びをしたおかげで、ジェイミソンが隠した助教授の下着を犬が見つけてしまうというギャグにもつながっている。他にも、忠実で機転が利く執事や、盗みに入ったはずがドタバタに巻き込まれてしまう泥棒など、キャラクターたちの存在感も強められている。

 単なるドタバタを超え、状況やキャラクターにも配慮が加えられた、チャーリー・チェイスらしいコメディだ。