映画評「HIS MARRIAGE WOW」

[製作国]アメリカ  [製作]マック・セネット・コメディーズ  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ハリー・エドワーズ  [製作]マック・セネット  [撮影]リー・デイヴィス、ウィリアム・ウィリアムズ  [編集]ウィリアム・ホーンベック

[出演]ハリー・ラングドン、ナタリー・キングストン、ウィリアム・マッコール、ヴァーノン・デント

 美しい女性との結婚式を迎えたハリー。だが、不気味なマクグラム教授から、保険金目当ての結婚だから注意しろと言われ怯える。妻の家族に毒を盛られたと思い込んだハリーは、マクグラム教授の手で病院に運ばれるが・・・。

 ヴァーノン・デント演じる不気味なマクグラム教授が出色の出来を見せている。「悲観主義者」とタイトルで紹介されている通り、悲観的なことを不気味な容貌で言うのだから、ハリーじゃなくても不安な気持ちになるだろう。結婚式で、何も言わずにじっとハリーを見つめるマクグラムの表情は、不気味さゆえに面白い。

 後半はマクグラムとハリーによる自動車を使ったギャグになる。マクグラムの狂気と自動車を使ったギャグは加速していき、最後はクラッシュで終焉する。クラッシュ自体は見せずに、クラッシュしてもその前と同じ格好をしているハリーの姿を見せる演出も決まっている。

 この頃のラングドンはまだキャラクターが固まっていない。この作品は、キャラクターの進展の点で見ると物足りないかもしれないが、1本の短編コメディとしてみると、楽しい作品だ。