映画評「REMEMBER WHEN」

[製作国]アメリカ  [製作]マック・セネット・コメディーズ  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]ハリー・エドワーズ  [製作]マック・セネット  [脚本]クライド・ブルックマン、アーサー・リップリー  [撮影]リー・デイヴィス、ウィリアム・ウィリアムズ  [編集]ウィリアム・ホーンベック

[出演]ハリー・ラングドン、ナタリー・キングストン、ヴァーノン・デント

 孤児院から抜け出したハリーが大人になり、サーカス団の一員となる。そこにいた女性は、孤児院時代に一緒に遊んだローズマリーだった。

 一緒の孤児院にいたローズマリーとの別れで始まり再開で終わる話なのだが、途中で2人がまじわるところがないという、珍しい展開の作品。最初と最後がなくても、浮浪者のハリーがサーカス団に入るコメディとして成立するのだ。

 2人が再会するために、孤児院の近くでサーカスが開催されるなど、あってもなくても成立する部分にもきちんと配慮がされている。そして、ローズマリーとの関係が描かれることによって、ちょっとした心温まる話になっているのだ。途中のギャグの多くは、スラップスティック・コメディの常道のものが多く、これといったものはないのだが、ローズマリーとの関係を描いている点をみると、単純なスラップスティック・コメディからの脱却を模索しているのが伝わってくる。