映画評「スーパー・リジー」

[製作国]アメリカ  [原題]SUPER-HOOPER-DYNE LIZZIEES  [製作]マック・セネット・コメディーズ  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]デル・ロード  [製作]マック・セネット

[出演]ビリー・ビーヴァン、アンディ・クライド、リリアン・ナイト

 ラジオで車を動かす技術を発明した発明家は、ガソリン販売で大儲けしていた男に恨まれる。

 映画と共に成長の道を歩んできた自動車は、映画草創期からの格好の題材で、コメディの分野でも多く使われてきた。一方で、ラジオ技術は映画や自動車に続いて発展した技術である。その両方を題材にしたこの作品は、機を見るに敏な作品と言えるだろう。また、このすぐ後にラジオ技術と映画が結び付いたトーキーが映画界を席巻していくことを考えると、暗示的な作品ともいえる。

 といった先見性はあるものの、作品自体はそれほど面白いとは感じられなかった。特に、後半はラジオも車も関係なく、これまでにも多く作られた作品のように、追いかけっこや脅かしっこに終始しているのが残念。