グレタ・ガルボとジョン・ギルバート

シネマ語り~ナレーションで楽しむサイレント映画~肉体と悪魔 [DVD]

 「肉体と悪魔」(1926)でグレタ・ガルボはジョン・ギルバートと共演した。2人は恋に落ちたが、結婚はしなかったという。結局ガルボは生涯で1度も結婚しなかった。「良き友人は、ずっと一緒にいる夫よりも望ましい」というのがガルボの考え方だったと言われる。

 ちなみに、ガルボとギルバートとの結婚にはMGMの撮影所のボスであるルイス・B・メイヤーも反対し、「やっちまって、それっきりでいいじゃないか」と言ったメイヤーにギルバートが殴りかかったというエピソードが残っている。

 ガルボの私生活は謎だった。ガルボは様々な人からのパーティの誘いも断り、マスコミの取材やプレミア・ショウへの出演もほとんど断った。これは、ガルボの伝説を作ろうとした戦略でもあったが、自分の育ちの悪さと教育のなさからくるコンプレックスのためでもあったと言われている。

 こうしたガルボの態度のため、徐々にハリウッドで孤立していき、「思わせぶりな女」「気取り屋」といった悪評が立ったと言われている。