サミュエル・ゴールドウィンとゲーリー・クーパーのすれ違い
一匹狼のプロデューサーとして活躍していたサミュエル・ゴールドウィンは、監督を大事にした人物としても知られる。ゴールドウィンは、1920年代にはヘンリー・キングを監督として好んで使った。
キングは、スターだったリチャード・バーセルメスらと共に製作会社を作って監督を行っていたが、会社がうまくいかず、ゴールドウィンと一緒に仕事をするようになったのだった。
「夢想の楽園」(1926)はキングの監督作である。この作品はゲーリー・クーパーの本格的なスクリーン・デビュー作としても知られる。クーパーはエキストラだった時にサミュエル・ゴールドウィンに見出されたのだったが、ゴールドウィンはクーパーの将来性を見抜けずに手放してしまい、クーパーはパラマウントへと移籍するのだった。