「サタンの嘆き」 D・W・グリフィスの評価は上がらず

 かつての栄光を失っていたD・W・グリフィスは、監督した作品の興行的失敗が続いたため、ユナイテッド・アーティスツの株を持ったまま、パラマウント系の雇われ監督となっていた。この年は「サタンの嘆き」(1926)を監督し、苦しかった経済状況もいくらか立ち直っていた。だが、セシル・B・デミルのために映画化権を買い取られていたという「サタンの嘆き」は通俗的とされ、批評家からは酷評された。一方で、グリフィスがつけたダンテの「地獄篇」を基にしたプロローグは試写で評判がよかったが、パラマウントが最終的にカットしてしまい、さらには本編の編集も変えて公開されたと言われている。