マック・セネットの凋落

 この頃活躍していたハリー・ラングドンは、スラップスティック・コメディの始祖であるマック・セネットが見出した最後の大物コメディアンと言われている。かつてはスラップスティック・コメディの帝王だったセネットだが、時代は短編喜劇映画から長編へと移っていた。セネット自身はメイベル・ノーマンド主演でいくつかの長編喜劇映画を製作したが、かつての栄光は取り戻せなかった。また、喜劇女優たちはドラマへと転進していったり、他の映画会社も喜劇を製作するようになり、セネットの独占的な立場は失われてしまっていた。