上山草人のハリウッドでの活躍 「海の野獣」「マンダレイへの道」

 「バグダッドの盗賊」(1924)で、モンゴルの王子役を演じて注目を集めた日本人俳優の上山草人は、この頃の多くのハリウッド映画に出演していた。この年は不気味な悪役を演じた「海の野獣」(1926)や、トッド・ブラウニング監督、ロン・チェイニー主演の「マンダレイへの道」(1926)などに出演している。ちなみに、「海の野獣」の主演はジョン・バリモアで、恋に燃える若き船長が白鯨を追う過程で狂気を帯びてくるなどバリモアの本領が発揮されているという。内容的には、ハーマン・メルヴィルの原作を思い切って改変し、ややメロドラマになっていると言われる。