「戦艦くろがね号」とウォーレス・ビアリーへのコメディ再進出

 「幌馬車」(1923)でスター監督となったジェームズ・クルーズは、「戦艦くろがね号」(1926)を監督している。19世紀に北アフリカの海賊相手に戦ったアメリカの帆船戦艦を描いたアクション作品であり、チャールズ・ファレルウォーレス・ビアリーが出演している。クライマックスの海戦では、スクリーンが拡大して上映されたという。

 ビアリーといえば、コメディから悪役へと役柄を移していたが、1926年からレイモンド・ハットンとの弥次喜多もので再度コメディに戻っている。「弥次喜多従軍記」「弥次喜多海軍の巻」(1926)などが作られ、2人のコンビ作は2年あまり続いた。その後ビアリーは、多種多様な役柄を演じていく。