ソ連 「母」 プドフキンによるモンタージュの実践

母 [DVD]

 ゴーリキー原作の映画化である「母」(1926)は、フセヴォロド・プドフキン監督による作品である。無学な母親が、革命的な労働者の息子を助けるうちに革命意識に目覚めるという内容で、個人を美しいヒーローに仕上げた作品とも言える。

 プドフキンは、対照・平行、類似、同時性、ライト・モチーフ(主題を示すための、ドラマとは無関係のショット)といったプロフキン流のモンタージュで映画を編集した。これに対して、セルゲイ・エイゼンシュタインは「単なるショットの連鎖にすぎない」と批判した。エイゼンシュテインは、「ショットの衝突でなければならない」とし、別々のショットが矛盾しあうことで新しい概念が生み出す必要があると主張したのだった。

 プドフキンは他にも、科学映画「頭脳の構造」(1926)を監督している。

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