その他のドイツ映画 1926年

 前衛的な映画製作を行っていたハンス・リヒターは、「映画習作」(1926)を製作している。

 後にナチスの記録映画を監督することで有名になるレニ・リーフェンシュタールは、「聖山」(1926)に出演している。

 「真実の追究が果たして幸福か」という問題を投げ掛けたイプセンの戯曲の映画化である「野鴨」(1926)は、ルプ・ピックが監督した作品である。真実を暴かないことが幸福の秘訣と思っている医者と、虚偽を摘発することが幸福と思っている男が現れたことで沈滞していたエクダル一家の間に波紋が起こるという内容だ。

 「プラーグの大学生」(1926)は、1913年にも映画化されたH・H・エーベルスの怪奇小説をもとにした怪奇映画である。19世紀のプラハ、貧しい大学生バルドゥインは、偶然に伯爵令嬢のマルギットと知り合い、互いに恋に落ちた。彼女と交際するために金が必要になったバルドゥインは、怪しげな金貸しから金を借りるが、抵当に求められたのはバルドゥインの魂で・・・という内容である。

 アニメーションの分野では、ロッテ・ライニガーが影絵アニメーション「アクメッド王子の冒険」(1926)を製作している。