映画評「スタン・ローレルの一面記事」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [原題]ON THE FRONT PAGE  [製作]ハル・ローチ・ステュディオズ  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督・脚本]ジェームズ・パロット [脚本]スタン・ローレル

[出演]スタン・ローレル、リリアン・リッチ、タイラー・ブルック

 出来の悪い新聞記者は、男と浮名を流す伯爵夫人がやって来ることを知り、気弱な執事を使って伯爵夫人とのスキャンダルを起こして記事にしようとする。

 1910年代から多く登場したヴァンプ映画をパロったリリアン・リッチ演じるヴァンプがいい。真珠で頭全体を覆うティアラや、蜘蛛の巣をデザインしたカーテンなど、ヴァンプの小道具を誇張して見せてくれるのもいい。

 ローレルはアンサンブルの一員と言える。気弱な執事の役はローレルの見た目とも合っている。オリヴァー・ハーディとコンビを組む前のローレル主演の作品は正直今ひとつなのだが、この作品を見るとローレルの個性は他人との絡み合いにあるような気がする。