「暗黒街」とジョセフ・フォン・スタンバーグとベン・ヘクト

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 「救ひを求むる人々」(1925)がチャールズ・チャップリンに絶賛されたジョセフ・フォン・スタンバーグは、当初はMGMの監督となったが、1927年からパラマウントで監督を務めた。ちなみにこの頃のスタンバーグは、俳優たちの間で悪魔のように恐れられていたという。スタンバーグは俳優たちに屈従を強いるタイプの監督で、俳優を奴隷のように使い、完全に操作しようとしたためだった。監督業についてスタンバーグは、「人間を編集する作業」と言っていたという。

 そんなスタンバーグは、ベン・ヘクト、ハワード・ホークス(クレジットなし)らが脚本を担当した「暗黒街」(1927)を監督している。「暗黒街」は、ギャング映画の先駆け的作品で、暗黒街のボスが身を滅ぼしていく過程を、強烈な殺人描写で描いた作品である。

 ヘクトは1927年に書いた「フロント・ページ」がブロードウェイで大ヒットし、ハリウッドに招かれていた。ヘクトをハリウッドに招いたのは、後に「市民ケーン」(1941)を書くハーマン・マンキーウィッツだったという。「暗黒街」はハリウッドでの第1作であり、ヘクトは1週間で書き上げて、パラマウントから1万ドルを得た。


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