バスター･キートンの映画製作　「キートンの大列車追跡」「キートンの大学生」

　バスター･キートンの出演作の製作を担当したジョセフ・スケンクが、ユナイテッド・アーティスツの重役となったことから、キートンの作品はユナイテッド・アーティスツから配給されるようになった。

　この年は、「キートンの大列車追跡（別題：キートンの将軍、キートンの大列車強盗）」と「キートンの大学生」に主演している。

　「キートンの大列車追跡」は、キートンが監督と主演を務めている。南北戦争時代を舞台に、北軍に奪われた愛する機関車“将軍号”と恋人を、キートンが奪還しようと必死の活躍を見せる。スピード感あふれるチェイス場面とリズミカルな画面構成が素晴らしく、最高傑作の声も高いが、興行的には失敗だったという。

　キートンの作品について、ジョルジュ・サドゥールは「世界映画全史」の中で次のように書いている。

　「バスター・キートンは、彼を脅やかす破局の大きさに気もつかず、その平然とした態度でこの全宇宙的な残虐さを取り除いてしまうようである」