映画評「トロリー・トラブルズ」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [原題]TROLLEY TROUBLES  [製作]ロバート・ウィンクラー・プロダクションズ  [配給]ユニヴァーサル・ピクチャーズ

[監督・脚本・作画]ウォルト・ディズニー  [製作]チャールズ・ミンツ  [作画]ローリン・ハミルトン、アブ・アイワーク

 ウォルト・ディズニーが、ミッキー・マウスの前に生み出したウサギのオズワルドが主役の短編アニメーション。オズワルドは人気を得るが、権利が自分にはないことを知ったディズニーは、仲間と共にミッキー・マウスを世に送り出すことになる。ちなみに「トロリー・トラブルズ」は初めて公開されたオズワルド映画だが、この前に1本別のオズワルド作品も製作しているという。

 トロリーバスの運転手のオズワルドは、線路の上に立ちふさがるヤギや、急勾配に悩まされる。

 縦の構図を使ったシーンが素晴しい。特に列車がやってくるのを真正面に捉えた構図は、線路の幅に従って列車自体が横に伸びたり縮んだりするギャグの面白さを増している。

 ギャグのいくつかは、他の作品から借りてきたものもあるらしい。確かに、列車を使った作品は多くあったし、バスター・キートンの「荒武者キートン」(1923)を思わせもする。だが、ディズニーは、スピード感を加えた、アニメーションとして楽しい作品に仕上げている。