ジョルジュ・メリエスの活躍(1)

 映画が危機に陥った中、活躍したのがジョルジュ・メリエスである。メリエスは奇術師であり、奇術が行われている舞台を撮影したりしていたのだが、ある出来事からフィルムをつなげたトリックを思いつく。ある出来事とは、撮影中にカメラが故障してしまい、修理してから同じアングルで撮影すると一瞬にして人物が入れ替わっていたというものだ。

 メリエスは、舞台の上に人を立たせフィルムを回し、一旦止めて人を立ち去らせ、再びフィルムを回したものを現像すると、人が忽然と消えたかのように見せたりした。

元々奇術師だったメリエスは、このフィルムによる「奇術的」なトリックを使った映画を使い、人気を得る(世界で初めてのトリック映画ではなく、1年以上前にアメリカで用いられていたという)。

1897年にメリエスはフランスのモントルイユに撮影所を開設している。奇術で使う機械設備を備えた舞台装置に、衣装置場、楽屋、フィルム現像所などを備えたこの撮影所で、メリエスは作品を撮影した。