ゴーモン社

 フランスのゴーモン社はこの年、スタジオを建設している。そして、そのスタジオの製作責任者に、他の候補者を退けて、女性のアリス・ギイが就任する。ギイは人形劇、演劇、伝説、小説からアイデアを得て、さまざまな作品を製作した。

 またこの年、ヴィクトラン・ジャッセやルイ・フイヤードといった後に監督として活躍する人物たちもゴーモン社に入社し、アリス・ギイの助手についている。だが、時間に細かく、絶対君主的なゴーモンと合わなかったためか、ジャッセはゴーモン社から離れ、小さな映画製作会社を転々とすることとなる。

 この年の代表的な作品としては、「ある阿片吸引者の夢」(ヴィクトラン・ジャッセの監督作)、「ラ・エスメラルダ」(アリス・ギイの監督作 ゴシック式の回廊のセットが見事)、「我らが主なるイエス・キリストの生涯」(ギイとジャッセが協力して撮影。画集を元に撮影された)がある。