クリスマスの悲劇

 MPPCが発足して約1週間後の12月24日に、ニューヨークの警察はニッケルオデオンを不道徳として、500館に対し一斉に閉鎖を命じた。ニッケルオデオンを運営していたマーカス・ロウやウィリアム・フォックスは奔走し、閉鎖を数日後に解除させた。

 当時、ニューヨーク市では演芸場や芝居の劇場は500ドルで営業許可を得て警察の管轄下におかれたが、ニッケルオデオンは25ドルで営業許可を得ることができ、警察とは他の役所の管轄下におかれていたことが批判の原因の1つだった。以後、ニューヨーク市は営業許可料金を引き上げ、ニッケルオデオンを警察の管轄下におくこととした。

 また、この閉鎖はMPPC側から興行者側への引き締めの1つとも興行者側は捉えられた。この出来事の後、MPPC側は興行者たちを招集し、毎週2ドルの支払いを要求し、受け入れられている。