ヨーロッパにおけるカルテルの挫折(1)

 ヨーロッパでも、アメリカのMPPCを真似たカルテルの形成を模索され、2月にパリでジョルジュ・メリエスを議長とする会議が開催された。

 この会議では、MPPCと似た国際映画製作販売業者委員会(CIDEF)の設立が決定された。準備会議ですでに決定されていた「フィルムは4ヶ月間貸し出した後に映画製作会社に返還」という規定も正式に決定された。また、生フィルムの購入については、委員会が指定した業者から購入することも決定した。この決定はイーストマン社に有利に働くものだった。

 また、パーフォレーション(フィルムを送る送り穴)の形と間隔、フィルムの大きさを35ミリにするといった点を統一することが合意され、あらゆる映画をあらゆる場所で上映することが可能になり、映画の配給網が急速に広がることとなった。


(映画本紹介)

映画の先駆者たち―パテの時代〔1903-1909〕 (世界映画全史)

映画の先駆者たち―パテの時代〔1903-1909〕 (世界映画全史)

ジョルジュ・サドゥールの大著「世界映画全史」の中の1冊。映画誕生前夜から1929年までに12巻費やされたこの本は、現在の映画史ではこぼれがちな部分も知ることができる。ヨーロッパにおけるカルテル形成の動きもその1つ。