MPPC加盟社の活動(1)

 MPPCは加盟社の製作尺数を調整するだけで、内容は自由に任されていた。

 スター・フィルム社は、ジョルジュ・メリエスはフランスで映画製作を行っており、この年も「気紛れな幻想」(1909)といった作品を製作したが、10年前から変わらないメリエスのスタイルは大衆の人気を呼ぶことはできなかった。メリエスは、この年、自らが製作する映画の人気低下からスタッフを解雇せざるを得なくなっている。

 ルービン社は、三流監督を雇い、安い製作費で映画を製作していた。

 初めてカリフォルニアで映画を製作したシーリグ社はこの年、セオドア・ルーズヴェルト大統領のアフリカ狩猟の映画化を行い、ヒットを飛ばした。その後も、シーリグ社は猛獣映画を専門とし、MPPCの中でも景気のいい会社の1つとなった。


(映画本紹介)

アメリカ映画の文化史―映画がつくったアメリカ〈上〉 (講談社学術文庫)

アメリカ映画の文化史―映画がつくったアメリカ〈上〉 (講談社学術文庫)

アメリカ映画史を社会的、文化的、経済的な側面から眺めた1冊。といっても、それほど難しくはないので、専門的な映画本の入門編としても最適。MPPCの結成から崩壊までについても1節が割かれている。