その他の国の状況

 アメリカ人のベンジャミン・ブラスキーが亜細亜影戯公司を設立し、映画製作を開始している。

 スペインではこの年、フィルムス・バルセロナがフランクトゥオッソ・ヘラベルトによる「グスマン・エル・ブエノ」「思いがけない風呂」(1909)を製作している。また、イスパノ・フィルムスもタマヨ・イ・バウス原作の「愛の狂気」(1909)を製作している。

 ノルウェーでは、映画製作会社インテルナショナルト・フィルム社が創立されているが、しばらくは年1,2本のペースでしか製作されなかった。

 ポーランドでは、アレクサンデル・ヘルツがスフィンクス社を設立している。スフィンクス社は、長編映画を年間5本から12本製作したという。ちなみにヘルツは、ポーラ・ネグリを発見した人物と言われている。

 アイルランドでは、ダブリンの目抜き通りマリー・ストリートに初の常設映画館ヴォルタ座がオープンされている。オーナーは後に作家となるジェームズ・ジョイスだった。ヴォルタ座は1年足らずで閉館してしまっている。