MPPCと独立系の映画製作会社の対立

 昨年より始まったMPPCと独立系の映画製作会社のアメリカにおける戦いはこの年も続いていた。MPPC側は「ジェネラル・フィルム社」という配給会社を設立し、配給部門を独占することを目論んだ。その目論見どおり、ジェネラル・フィルム社は多くの配給会社を傘下に収めていく。

 一方で、独立系の映画会社も、製作から配給へのフィルムの流れを一本化するために、映画配給販売会社が設立され、ニッケルオデオンにフィルムを安定供給するようになり、MPPCに不満を持つ映画館に対して脱退勧誘も行った。


(映画本紹介)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

無声映画芸術への道―フランス映画の行方〈2〉1909‐1914 (世界映画全史)

映画誕生前から1929年前までを12巻にわたって著述された大著。濃密さは他の追随を許さない。