アメリカン・ミュートスコープ・アンド・バイオグラフ社の作品 1900年
「HOW THEY ROB MEN IN CHICAGO」
監督ウォレス・マッカッチョン
女性に見とれている男性を強盗が殴りつけて、金を奪う。その後通りかかった警官は、まだ少し残っていた金をくすねる。
書き割りの前で演じられるちょっとしたコメディ。タイトルにあるように舞台はシカゴに設定されているようである。当時、シカゴは犯罪が多い都市というイメージがあったという。また、警官の腐敗も当時しばしばマスコミで取り上げられていたらしい。そういった現実が反映した作品とも言われている。
「CHIMMIE HICKS AT THE RACES」
コメディ。1人の男が競馬を見ながら、当たって大喜びしたり、外れて落胆したりする様子を撮影。
真っ黒な背景の前での演技は、まるでオーディション風景を見ているようだ。一見して、感情が伝わってくる演技は、もしオーディションならもちろん合格だろう。
「A WAKE IN “HELL’S KITCHEN”」
コメディ。棺桶の遺体の周りで人々がビールを飲んでいる。みんなが目を離している隙に、遺体が生き返ってビールを飲んでしまう。
「A NYMPH OF THE WAVES」
ダンサーが踊っている様子を、激流との二重露出で見せる。
映画初期から作られているダンサーを撮影した作品に、一工夫が加えられている。
「THE CHIMNEY SWEEP AND THE MILLER」
風車の前で白い服を着た男と黒い服を着た男が、白い粉の入った袋を武器に殴り合う。
1898年にイギリスのジョージ・アルバート・スミスが製作した「The Miller and the Sweep」のパクりである。子の頃は、映画の著作権はまだ確立されておらず、作品自体の剽窃が頻繁に行われていたが、この作品もその1つと言える。