エジソン社の作品 1904年(6)

「THE EX-CONVICT」

 元受刑者が仕事につこうとするも、過去が理由でうまくいかない。いたしかたなく泥棒に入るが、そこは車に轢かれそうになったところを助けてあげた少女の家だった。

 この作品は感動的だ。後年のチャールズ・チャップリンの「チャップリンの悔悟」(1916)を思わせるし、またアラン・ドロンジャン・ギャバンが主演した「暗黒街のふたり」(1973)も思わせる。

 受刑者への世間への冷たい風当たり、病気になってしまう娘といった主人公が対面する境遇が、少女を助けるという行為によって救われることになるという展開は、これまでのエジソン社の作品にはない感動を作品に与えている。

 セットとロケが併用され、セットのシーンは舞台劇のようでいまひとつだが、ロケのシーンがリアリティを映画に与えることに成功している。元は、1巻ものの舞台劇とのことだが、監督のエドウィン・S・ポーターはうまく映像化している。



(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。