エジソン社の作品 1909年

 1908年にMPPCという名のエジソン社を中心としたカルテルが設立されるも、フィルムの本数の不足と質の低下から興行者たちは不満を募らせていた。

 エジソン社では、3つのユニットで映画を製作するようになり、ポーターは監督を退いて撮影所の監修役となるが、やがて退社する。そこでエジソン社はHorace G. Plimptonという映画撮影は未経験の人物を雇い、撮影所の監修役とする。さらに2つのユニットで映画が製作されるようになる。

「THE HOUSE OF CARDS」

 西部が舞台。他人の金を銀行に預けるために街にやって来た男。ギャンブルにはまって金をすってしまい、深夜銀行に忍び込む。悪事がばれた男だが、保安官の温情によって逃がしてもらうものの、愛した女性は保安官の元へと心を寄せてしまう。

 書き割りの西部のセットに、舞台を撮影したようなスタイル(パン撮影は行われているが)で相変わらず撮影されている。ただ、ヒロインの女性の演技は大げさだが、それ以外の役者の演技は抑えられている。だが、演技を抑えられると声が聞こえないため、舞台を撮影したスタイルのままでは、よくわからないシーンも多々ある(ラスト近くの男と保安官のやり取りはよくわからない)。そこで、クロース・アップの使用が必要となってくるわけで、グリフィスの登場となるのだが、この作品ではそうはなってはいない。ストーリー自体がわかりやすいため、話がまったくわからないといったわけではないのだが。

 この作品の作者は不明。



(DVD紹介)

Edison: Invention of the Movies [DVD] [Import]

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映画初期のエジソン社製作の映画を大量に見ることができる4枚組DVD−BOX。各作品についての解説(英語)もあり、かなり親切な作りになっている。

注意!・・・「リージョン1」のDVDです。「リージョン1」対応のプレイヤーが必要です。