フランス映画 アベル・ガンスの活躍
前年(1915年)から映画監督・脚本家としての活躍を見せていたアベル・ガンスはこの年も活躍している。
「生きる権利」(1916)は、証券取引所を舞台にした大メロドラマであり、極端なストーリーとなっているという。技術的にも、透けて見える影の照明など工夫がされており、興行的にも成功した。
「悲しみの聖母(悲しめる母)(嘆きの母)」(1916)もメロドラマである。ジョルジュ・サドゥールはこの作品を「俳優たちに対する優れた演出と<表情の動きを強調する明暗効果>が、この驚くほどの成功に貢献していた」(世界映画全史)と評している。
これらの作品を製作したアベル・ガンスは、1916年にはフランスの映画監督の筆頭に躍り出たと言われている。
無声映画芸術の開花―アメリカ映画の世界制覇〈2〉1914‐1920 (世界映画全史)
- 作者: ジョルジュサドゥール,Georges Sadoul,丸尾定,出口丈人,村山匡一郎,小松弘
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1997/12/01
- メディア: 単行本
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