日本 小林商会の興隆と没落
昨年(1916年−大正5年)に小林喜三郎が天活から飛び出して設立した小林商会は、力を入れていた連鎖劇の人気により興隆を迎えていた。だが、連鎖劇興行の行き詰まりと、急激な拡大路線により経済的に破綻を向かえる。
舞台と映画の2つの様式に分かれているため、興行の費用も高くついた。その制約が脚本内容も制約し、単調な作品が多くなったためと言われる。また、「活動写真取締規則」が公布され、防災上の理由から連鎖劇を行うことができなくなり、警視庁管内の連鎖劇場はいっせいに興行中止となったことが決定的となった。
(映画本紹介)
- 作者: 田中純一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1975/12/10
- メディア: 文庫
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日本の映画の歴史を追った大著。日本映画史の一通りの流れを知るにはうってつけ。