日本 帰山教正と「活動写真劇の創作と撮影法」

 帰山教正は、吉沢商店の機関雑誌「活動写真界」の有力の投書家で、1913年(大正2年)に、「キネマレコード」(1917年廃刊)を創刊した人物である。日本キネトホンの撮影現像にも関わり、日本キネトホン解散後の1917年(大正6年)に天活入社し、輸入係に席をおいていた。

 そんな帰山教正はこの年、「活動写真劇の創作と撮影法」という著作を出版している。映画と舞台はまったく別物であるという考え方を基本としたこの著作は、カット・バック、クロース・アップ、ロング・ショットの手法、シナリオの書き方などを研究、紹介したものであった。

 帰山はこの著作の考え方を自ら映画を監督することで実践に移していくことになる。



(映画本紹介)

日本映画発達史 (1) 活動写真時代 (中公文庫)

日本映画発達史 (1) 活動写真時代 (中公文庫)

日本の映画の歴史を追った大著。日本映画史の一通りの流れを知るにはうってつけ。