日本 輸入映画−1921年

 1921年には次のような外国映画が日本で公開されている。

「悪魔の合鍵」「狂へる悪魔」「幸福の谷」「サロメ」「怒髪天を衝いて」「ミラクルマン」「キッド」「モヒカン族の最後」「懐かしの泉」「奇傑ゾロ」「三銃士」「涙の船唄」(アメリカ)

「呪の眼」「豊情歌」「カリガリ博士」「カラマゾフの兄弟」(ドイツ)

「感激の一夜」(スウェーデン

「月光の曲」「さらば青春」「火鉢」(イタリア)。

 上記の中で、「カリガリ博士」は大きな話題を呼んだという。表現主義映画である「カリガリ博士」は、装飾的な実景と生の俳優の不調和が全体を破綻させかねないという点が、小説家の谷崎潤一郎や画家の竹久夢二らによって指摘されたという。また、細山喜代松の「霊光の岐に」(1922)や溝口健二「血と霊」(1923)に影響を与えたと言われている。