日活 女形と訣別し女優を採用

 日活は現代劇不振の理由である女形と訣別し、女優の採用を始めていた。1922年の暮れに公開された「京屋襟店」は、女形の役者が出演した日活の作品であるが、この作品を最後に日活の女形俳優は日活を辞めている。

 日活は舞台協会から女優を出演させ、岡田嘉子や夏川静江が日活映画に出演するようになる。

 岡田は、西洋の女性のような個性の強さから、インテリ層に人気を得たという。対して夏川は、純情可憐型だが、近代的で知的な雰囲気を持ち、モダンなメロドラマに活用されたと言われている。

 映画俳優の供給源である歌舞伎や新派には女優がいなかったため、新劇が女優の供給源となったが、新劇女優に対しては芸者と似た水商売という偏見もあったという。