松竹 アメリカ映画の影響 「人生の愛」「忍術ごっこ」

 当時の日本では、アメリカ映画のジャンルを積極的に取り入れていたが、松竹は特にその傾向が強かった。

 親の愛を扱ったアメリカのメロドラマは日本映画に影響を与えていた。例えば牛原虚彦監督の「人生の愛」(1923)は、アメリカ映画「故郷の愛」(1917)の翻案である。

 アメリカでは後のシャーリー・テンプル映画に代表されるのような児童コメディが、この頃も多く作られており、やはり日本映画は影響を受けていた。島津保次郎監督の「忍術ごっこ」(1923)は、日本の児童コメディのジャンルを確立した作品と言われている。