その他の日活映画 1924年

 日活の時代劇の分野では、尾上松之助のような英雄豪傑を描く作品が多く作られていたが、時代遅れとなっていた。そんな中、池田富保が、松之助出演の「渡し守と武士」(1924)で監督デビューを果たしている。池田はリアリスティックな剣劇を目指そうとした。池田は松之助の義弟であり、松之助に意見できる数少ない監督だったという。女形ではなく女優を使い、字幕を入れ、パン、移動、カットバックも使ったが、スタッフも松之助も非協力的だったという。そんなとき、仲裁役を務めたのは、撮影所次長の池永浩久だったという。