森岩雄 脚本家として

 後に東宝の副社長の森岩雄は、外国映画の輸入などを行っていた。その森岩雄は「良い映画を讃える会」を設立し、第一回鑑賞会を開催。「巴里の女性」(1923)を上映した。

 森は映画批評も執筆していたが、一方でシナリオも執筆した。

 原作を提供した「恋」(1924)は、マキノ映画製作所・衣笠貞之助監督の作品である。女工は職工に恋をし、職工は女優に恋し、女優は別の男を・・・といった映画だった。

 脚本を提供した「寂しき村」(1924)も、マキノ映画製作所・衣笠貞之助監督の作品である。乗合馬車屋が自動車に追われるように僻地に押し流されていく姿を描いている。社会主義的に見えたため、検閲で上映中止になったところもあったという。