キネマ旬報ベストテンのスタート

 この年から、映画雑誌「キネマ旬報」が、優秀映画ベストテンの選考をスタートさせている。読者から「芸術的優秀映画」「娯楽的優秀映画」の2部門それぞれで、最も優れた作品を1本のみ読者に投票してもらうという形式だった。また、第1回と第2回は外国映画のみだった。日本での公開が基準となっているため、外国映画の場合は各国の公開年と対象年度が異なる作品が多々ある。

1924年度第一回キネマ旬報ベスト・テン

芸術的優秀映画
1位 「巴里の女性」(1923 アメリカ 監督チャールズ・チャップリン
2位 「結婚哲学」(1924 アメリカ 監督エルンスト・ルビッチ)
3位 「椿姫」(1921 アメリカ 監督レイ・C・スモールウッド)
4位 「過去からの呼声」(1921 イタリア 監督ジェンナロ・リゲッリ)
5位 「我が恋せし乙女」(1923 アメリカ 監督ジョゼフ・デ・グラッス)
6位 「ノートルダムのせむし男」(1923 アメリカ 監督ウォーレス・ワースリー)
7位 「異郷の露」(1923 アメリカ 監督ジョージ・メルフォード)
8位 「歩み疲れて」(1922 アメリカ 監督トム・テリス)
9位 「不滅の情火」(1922 アメリカ 監督フランク・ロイド)
10位 「心なき女性」(1922 アメリカ 監督レックス・イングラム

娯楽的優秀映画
1位 「幌馬車」(1923 アメリカ 監督ジェームズ・クルーズ)
2位 「ホリウッド」(1923 アメリカ 監督ジェームズ・クルーズ)
3位 「要心無用」(1923 アメリカ 監督サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー)
4位 「無鉄砲時代」(1924 アメリカ 監督ハリー・ポラード)
5位 「シャーロック・ホームズ」(1922 アメリカ 監督アルバート・パーカー)
6位 「男子怒れば」(1922 アメリカ 監督アレン・ホルバー)
7位 「狂恋の唄ひ女」(? アメリカ 監督ルイ・ガスニエ)
8位 「心なき女性」(1922 アメリカ 監督レックス・イングラム
9位 「嵐の国のテス」(1922 アメリカ 監督ジョン・S・ロバートソン)
10位 「ロジタ」(1923 アメリカ 監督エルンスト・ルビッチ)

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