1927年当時の日活京都大将軍撮影所
日活京都大将軍スタジオで製作された映画は、伊藤大輔の作品だけではなかった。関東大震災によって映画製作の基盤が関西に移り、もともと京都が専門にしていた時代劇が興隆していた。中里介山、白井喬二らの大衆文芸の流行や、剣戟劇団の人気も刺激になったという。大衆文芸が時代劇のソースとなり、映画においても起伏と変化に富んだ物語や、立ち回りの写実化・スピード化が促進された。また、アメリカの西部劇や活劇のテクニック、ヨーロッパ映画の表現主義といった要素も吸収されたという。
アメリカ映画の影響を受けた日活京都時代劇として、アメリカの「喧嘩友達」(1927)「弥次喜多従軍記」(1926)といった2人組喜劇の影響を受けた「弥次喜多・尊王の巻」(1927)がある。
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