日活 新しい流れ 内田吐夢と田坂具隆

 日活現代劇の分野では、新しい流れが芽生えつつあった。その代表が内田吐夢田坂具隆の2人である。

 内田吐夢は、大正活映横浜スタジオに栗原トーマスの門下生として入り、俳優や雑役をこなした。そして、マキノなどの小プロダクションで俳優として出演後、日活で端役として出演していた。1927年から監督もするようになった

 内田が監督した作品には、男性的な雰囲気とダイナミックな画面構成を見せた活劇映画「東洋武侠団」(1927)などがある。

 田坂具隆は、1926年から監督として軽い喜劇や活劇を作っており、「しゃぼん娘」(1927)で注目を集めた。

 内田吐夢は、岡田時彦と同じく栗原トーマスのアメリカ式映画手法に教育され、田坂具隆も徳永フランクや阿部豊の感化を受けていた。他にも俳優の島耕二や小杉勇は、映画俳優学校で教育を受けていた。

 こうして、日活には新しい流れができあがりつつあった