輸入映画−1927年

 この年公開された外国映画としては、下記のような作品がある。
 「ウインダミア夫人の扇」「帝国ホテル」「ボー・ジェスト」「人罠」「復活」「霧の裏街」「栄光」「肉体の道」「椿姫」「ビッグ・パレード」「ヴォルガの船唄」「チャング」「第七天国キネ旬1位)」(アメリカ)、「氷島の漁夫」「面影」「女優ナナ」「カルメン」(フランス)、「ヴァリエテ(キネ旬2位)」「タルチュフ」「除夜の悲劇」(ドイツ)

 「ヴォルガの船唄」は、ソビエト革命の一挿話を描いた作品である。内務省は検閲で許可したが、反対勢力の非難が起こり、1週間で上映中止となっている。その後、大幅にカットされて公開された一方で、内務省の検閲制度に批判の声が上がったという。

 当時は日本映画が隆盛となり、輸入映画はよほどの大作や傑作でなければ興行者が喜ばなかったという。松竹とメトロ、日活とファースト・ナショナル、マキノとUA、帝キネとフォックスの提携も解消されていた。

 そんな状況の中、1926年から映画館の直営に乗り出していたアメリカのパラマウントが、1927年からは丸の内の邦楽座を直営としている。邦楽座では、オーケストラやショーのアトラクションが入り、設備やサービスが改善されたという。