シネマトグラフ リュミエール兄弟(3)

 リュミエール兄弟はすでに、エジソンがキネトスコープで導入していたパーフォレーションについて知っていたため、一定の速度で中心をしっかりと据えてフィルムを送るという映画に必要な条件の1つをクリアーしていた。
 また、多くの映画機械の開発者が入手できずに悩みに悩んだフィルムについても解決した。リュミエール兄弟は写真の専門家であり、かつ工場を持っていたために解決することは容易だった。彼らはセルロイド板を買い入れ、当時どこよりも優れた性質を帯びた感光乳剤を塗る事で、非常に質の高いフィルムを作る事ができた。また、金持ちだった彼らは、セルロイド工場を作って、フィルム製造に必要なセルロイドの生産もした。写真の専門家だったというバックボーンと豊富な資金が、多くの映像の機械開発者でうまくいかなかったフィルムの問題をいともたやすく解決してしまったのだ。