ソラックス社 アリス・ギィ監督作 1913年
「家庭分裂」
製作国アメリカ 原題「A HOUSE DIVIDED」
ソラックス・フィルム・カンパニー製作 エクスクルーシブ・サプライ・コーポレーション
監督・製作アリス・ギィ 出演フラウニー・フラウンホルズ、マリアン・スウェイン
映画草創期からフランスで活躍し、渡米してからも監督として活動していたアリス・ギィによる作品。
誤解から、互いに浮気をしている思い込んだ夫婦が、筆談のみ会話をすることになる。
愛し合っている男女のケンカという、文字にするとくだらないが、上手く映画にすると魅力あふれる作品になる題材を扱っている。後に流行するスクリューボール・コメディの源流という指摘もあったが、まさにその通りだろう。互いに誤解をして・・・という展開は、オー・ヘンリーを思わせる部分もある(ギィも「最後の一葉」を映画化している)。15分弱という短い時間だが、微笑ましい小話である。
「結婚スピード狂」
製作国アメリカ 原題「MATRIMONY’S SPEED LIMIT」
ソラックス・フィルム・カンパニー製作 エクスクルーシブ・サプライ・コーポレーション配給
監督・製作アリス・ギィ 出演フラウニー・フラウンホルズ、マリアン・スウェイン
映画草創期からフランスで活躍し、渡米してからも監督として活動していたアリス・ギィによる作品。
株で資金難に陥ったが、プライドから恋人の金を受け取れない男。恋人は、男に「12時までに結婚すれば叔母の遺産が入る」という嘘の電報を打つ。
バスター・キートンの「セブン・チャンス」(1925)を始めとして、同じようなプロットの作品は多くある。そんな中、恋人の女性が自分の金を渡すために嘘の電報を打つのが特徴。男は常に女性の掌の中で踊っている。女性監督らしい視点と言えるかもしれない。