アメリカン・ミュートスコープ・アンド・バイオグラフ社の作品 1905年(1)

「DUEL SCENE FROM MACBETH」

 アメリカン・ミュートスコープ・アンド・バイオグラフ社(後のバイオグラフ社)の作品。

 シェイクスピア原作の「マクベス」からマクベスとマクダフの対決のシーンのみを描いた約1分の作品。当時、バイオグラフ社は様々な国の「対決」シーンを集めたシリーズを製作し、この作品もそのシリーズの1つだという。また、「マクベス」の映画化作品としては、最初の作品とも言われている。

 編集なしのワンカットで、舞台を撮影するように作られたこの作品は、「大列車強盗」(1903)が作られて大ヒットした後の作品としては古い作りのようにも感じられるが、まだまだこのタイプの作品も製作されていたということなのだろう。様々な国の「対決」を集めたシリーズの1つと考えると、オムニバス映画の最初期の例の1つなのかもしれないが、シリーズの他の作品を見ることができるので、なんともいえない。

 この作品の撮影は、バイオグラフ社に所属しており、後にD・W・グリフィスの撮影監督として活躍するビリー・ビッツァーが担当している。この頃のビッツァーがこのような単純な映画の撮影を行っていたにも関わらず、わずか10年後に「国民の創生」や「イントレランス」の撮影を行うことを考えると、当時の映画技術や話法の発達がすさまじい勢いだったことが伝わってくるようだ。ビッツァーが最初期から映画に携わり、グリフィスという巨人と出会う。ビッツァーの撮影した作品の歴史は、初期映画の歴史と言ってもいいのではないかという気持ちになってくる。



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