映画評「ビリー・ビーヴァンのフーテン旅行」

※ネタバレが含まれている場合があります

[製作国]アメリカ  [原題]WANDERING WILLIES  [製作]マック・セネット・コメディーズ  [配給]パテ・エクスチェンジ

[監督]デル・ロード  [製作]マック・セネット  [撮影]ハップ・デピュー  [編集]ウィリアム・ホーンベック

[出演]ビリー・ビーヴァン、アンディ・クライド、ルース・ハイアット

 フーテンのパーシーとダスティの2人は、警官の格好をすればタダで食べ物を得られると考え、警官のユニフォームを盗みレストランに行く。

 牡蠣の入ったスープを食べようとすると、牡蠣が生きていて邪魔をするといったシュールなギャグも楽しいが、後半のカー・チェイスが最大の見所だろう。

 カー・チェイスでは、製作のマック・セネットが1910年代にキーストン社で登場させて人気を呼んだキーストン・コップスを思わせる警官たちが登場する。だが、この作品ではさらに工夫がされており、大勢の警官たちが一列になって車に引きずられるといった、振り付けともいえる演出がされ、見た目の面白さが付加されている。

 スラップスティック・コメディ草創期から活躍したマック・セネットが製作を担当した作品で、自身が登場させたキャラクターを使ったギャグが進化しているのを見るのは、感慨深いものを感じさせたりもする。