2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 笑わない喜劇役者 バスター・キートン、長編へ

笑わない喜劇役者として活躍(笑わないのは、ボスだったジョゼフ・スケンクからの指令だったとも言われる)したバスター・キートンは、ファースト・ナショナルと契約をして短編を製作していたが、この年からメトロに移籍して長篇を撮り始める。ちなみに、キート…

 「巴里の女性」 チャップリン唯一の悲劇

チャールズ・チャップリンは、自身もオーナーの1人であるユナイテッド・アーティスツ社配給で、「巴里の女性」(1923)を製作している。森岩雄は、「アメリカ映画製作者論」で、チャップリンによる「巴里の女性」製作を「芸術家チャップリンを、製作者チ…

 「偽牧師」 チャールズ・チャップリン最後の雇われ仕事

チャールズ・チャップリンは、ファースト・ナショナル社との契約における最後の作品である「偽牧師」(1923)を監督・主演している。脱獄犯が逃走中に牧師の服を盗み、ある村の新任牧師と勘違いされるというストーリーの作品だ。 「偽牧師」は、聖職者たち…

 大女優たち ナジモヴァ、スワンソン 1923年

自身のプロダクションを設立するも失敗続きだったアラ・ナジモヴァは、「サロメ」(1922)を製作するも失敗に終わっている。「サロメ」は、自身のプロダクションの最後の作品となった。 セシル・B・デミル監督作品で、セックス・アピールを売り物にした…

 大スターたち バーセルメス、ナヴァロ 1923年

人気スターのリチャード・バーセルメスは、ジョン・S・ロバートソン監督の「ブライト・ショール」(1923)といった流行の冒険時代劇で活躍した。 ラモン・サマニヨゴスから改名して、スターへの道を突き進んでいたラモン・ナヴァロは、レックス・イング…

 ハリー・フーディーニ 最後の映画製作

脱出物を得意とした奇術師のハリー・フーディーニは、、映画にも進出していた。「密偵ハラデン」(1923)は、フーディーニが設立したフーディーニ・ピクチャー・コーポレーションで製作された作品である。 シークレット・サービスの調査員に扮したフーデ…

 ルドルフ・ヴァレンティノの反乱とエリノア・グリン

ハリウッドで最高のスターの1人だったルドルフ・ヴァレンティノは、所属する映画会社パラマウントの自身への処遇に不満を持ち、裁判にまでなっていた。 ヴァレンティノは、ダンスの公演や美顔クリーム会社の宣伝、自伝の出版、各地の映画館での舞台挨拶、ダ…

 チャールズ・レイ あるメアリー・ピックフォード的男優の話

一人前になる体験に直面してしり込みする若者を演じ続けることでスターの座を保った役者がいる。彼の名前をチャールズ・レイという。彼は「哨兵」(1915)の頃から同じような役柄を演じ続け、1923年にも同じような役柄の「我が恋せし乙女」(192…