ジョルジュ・メリエス−映画を見世物に向かわせた男(5)
メリエスが使ったトリックは、カメラを一旦止めることによって、人や物を消しただけではない。カメラには一度撮影したフィルムを巻戻して再び撮影すると、二重で撮影されるという機能がある。この機能に、レンズを真っ黒な紙などで覆って一部分しか撮影しないという技法(マスクと呼ばれる)を組み合わせると、同じ人物が1つの画面に何人も登場したり、同じ人物の首をいくつもテーブルの上に並べたり、首を取って放り投げたりするような映画を撮影することができる。メリエスはこのように、奇術の発想を映画の機能と融合させてトリック映画を撮影していった。
私が見たメリエスの映画が見られるDVD・ビデオ
「THE MOVIE BEGIN」(アメリカで発売されているDVD)
「フランス映画の誕生」(ジュネス企画)
本「死ぬまでに見たい映画1001本」の付録