連合映画芸術家協会の設立 1925年

 1925年に1つの協会が、文学・演劇・映画界のそうそうたる顔ぶれで設立されている。連合映画芸術家協会がそれである。文芸からは菊池寛久米正雄里見紝白井喬二ら、演劇からは新国劇創始者沢田正二郎や歌舞伎の革命児といわれていた市川猿之助ら、映画からは牧野省三らが設立に参加した。

 中心となったのは、小説家の直木三十五である。直木は、独立プロをつくり競争させることで、作品の質を向上しようと試みる。日活や松竹といった映画会社と映画館の配給の系列化を崩し、いい映画が自由に製作され、映画館も良質の作品を自由に選んで上映するという理想図を描いたのだった。