パテ社(1903)

 数の面で市場の需要に応えていたフランスのパテ社は、この年も様々な作品を製作している。

 パテ社が製作した作品の種類は多岐に渡る。再現されたニュース映画の分野では、「マケドニアの殺戮」「レオ十三世の逝去」「ピウス十世の即位」といった作品が製作された。また、社会問題を扱ったリアリスティックな作品の分野では、「ある賭博師の生涯」「ストライキ」などの作品が製作された。

 トリック映画の分野では、かつて奇術師だったガストン・ヴェルが演出を担当していた。ヴェルはメリエスのようにスタジオ内のみで撮影するのではなく、自然の背景とスタジオの舞台装置を結びつけて撮影した。また、トリック自体を見せるのではなく、物語を活用するためにトリックを使用するようになったといわれる。