1921

 映画評「TOO WISE WIVES」

製作国アメリカ ロイス・ウェーバー・プロダクションズ製作 パラマウント・ピクチャーズ配給 監督・製作・脚本ロイス・ウェーバー 脚本マリオン・オース 撮影ウィリアム・C・フォスター 出演ルイス・カルハーン、クレア・ウィンザー、フィリップス・スモー…

 映画評「寡言の男」

製作国アメリカ 原題「THREE WORD BRAND」 ウィリアム・S・ハート・プロダクションズ製作 フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー・コーポレーション配給 監督・脚本ランバート・ヒルヤー 製作・出演ウィリアム・S・ハート 原作ウィル・レイノルズ 撮影ジョセ…

 映画評「MISS LULU BETT」

製作国アメリカ パラマウント・ピクチャーズ・製作・配給 監督ウィリアム・C・デミル 製作アドルフ・ズーカー 原作ゾーナ・ゲイル 出演ロイス・ウィルソン ルルは母親と姉夫婦と姉夫婦の子供たちと一緒に暮らしている。一家の家事はルルが一手に引き受けて…

 映画評「THE SEA LION」

製作国アメリカ ホバート・ボスワース・プロダクションズ製作 アソシエイテッド・プロデューサーズ・インク配給 監督ローランド・V・リー 製作・出演ホバート・ボスワース 出演ベッシー・ラヴ 「海のライオン」と恐れられるネルソン船長。ネルソンには、妻…

 映画評「マイ・ボーイ」

原題「MY BOY」 製作国アメリカ ジャッキー・クーガン・プロダクションズ製作 アソシエイテッド・ファースト・ナショナル・ピクチャーズ配給 監督・脚本ヴィクター・ヒアマン 監督アルバート・オースティン 出演ジャッキー・クーガン 「キッド」(1921)…

 映画評「蓮華姫」

原題「LOTUS BLOSSOM」 製作国アメリカ ワー・ミン・モーション・ピクチャー製作 ナショナル・エクスチェンジス配給 製作・監督・原案ジェームズ・B・ロン 出演ツェン・メイ タリー・マーシャル 阿部豊 元々は7巻ものだったらしいが、5巻の部分(約12分…

 映画評「汚点」

原題「THE BLOT」 製作国アメリカ ロイス・ウェバー・プロダクションズ製作 F・B・ウォーレン・コーポレーション配給 監督・製作・脚本ロイス・ウェバー 隣同士のグリッグ家とオルセン家。大学の教授をしているグリッグ家は貧しく、靴職人であるオルセン家…

 映画評「ハートの一」

原題「THE ACE OF HEARTS」 製作国アメリカ ゴールドウィン・ピクチャーズ・コーポレーション製作・配給 監督ウォーレス・ワースリー 製作サミュエル・ゴールドウィン 原作ガヴァナー・モリス 出演ロン・チェイニー、レアトリス・ジョイ、ジョン・バワーズ、…

 映画評「アナトール」

原題「THE AFFAIRS OR ANATOL」 製作国アメリカ フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー製作 パラマウント・ピクチャーズ配給 監督・製作セシル・B・デミル 原作アルトゥル・シュニッツラー 脚色ジーニー・マクファーソン 出演ウォーレス・リード、グロリア・…

 映画評「乗合馬車」

原題「TOL'ABLE DAVID」 製作国アメリカ インスピレーション・ピクチャーズ製作 ファースト・ナショナル・ピクチャーズ配給 製作・監督・脚本ヘンリー・キング 出演リチャード・バーセルメス 田舎町に住むデイヴィッドは、両親と兄アランらと共に暮らしていた。…

 映画評「小公子」

原題「LITTLE LORD FAUNTLEROY」 製作国アメリカ メアリー・ピックフォード・カンパニー製作 ユナイテッド・アーティスツ配給 監督ジャック・ピックフォード、アルフレッド・E・グリーン 製作・出演メアリー・ピックフォード 原作フランシス・ホジソン・バー…

 映画評「勝手口から」

原題「THROUGH THE BACK DOOR」 製作国アメリカ メアリー・ピックフォード・カンパニー製作 ユナイテッド・アーティスツ配給 監督アルフレッド・E・グリーン、ジャック・ピックフォード 撮影チャールズ・ロシャー 製作・出演メアリー・ピックフォード 出演…

 映画評「愛の燈明」

原題「THE LOVE LIGHT」 製作国アメリカ メアリー・ピックフォード・カンパニー製作 ユナイテッド・アーティスツ配給 監督・脚本フランシス・マリオン 製作・出演メアリー・ピックフォード あるイタリアの田舎町。アンジェラは、仲の良い兄弟や彼女を愛する…

 映画評「ナット」

原題「THE NUT」 製作国アメリカ ダグラス・フェアバンクス・ピクチャーズ製作 ユナイテッド・アーティスツ配給 監督セオドア・リード 製作・脚本・出演ダグラス・フェアバンクス 出演マーガレット・ド・ラ・モット 発明家のジャクソンは、孤児たちを援助す…

 映画評「三銃士」

原題「THE THREE MUSKETEERS」 製作国アメリカ ダグラス・フェアバンクス・ピクチャーズ製作 ユナイテッド・アーティスツ配給 監督フレッド・ニブロ 原作アレクサンドル・デュマ 製作・出演ダグラス・フェアバンクス アレクサンドル・デュマ原作の作品。数々…

 映画評「椿姫」

原題「CAMILLE」 製作国アメリカ ナジモヴァ・プロダクションズ製作 メトロ・ピクチャーズ・コーポレーション配給 監督レイ・C・スモールウッド 原作アレクサンドル・デュマ・フィス 脚本ジューン・マシス 出演アラ・ナジモヴァ、ルドルフ・ヴァレンティノ …

 映画評「シーク」

原題「THE SHEIK」 製作国アメリカ パラマウント・ピクチャーズ製作・配給 監督ジョージ・メルフォード 出演ルドルフ・ヴァレンティノ、アグネス・エヤーズ、アドルフ・マンジュー アラビアの青年酋長アーメッドは、町で出会ったイギリス人女性に一目惚れし…

 映画評「黙示録の四騎士」

原題「THE FOUR HORSEMEN OF THE APOCALYPSE」 製作国アメリカ メトロ・ピクチャーズ・コーポレーション製作・配給 監督レックス・イングラム 原作ヴィセンテ・ブラスコ・イバニェス 脚色ジューン・マシス 出演ルドルフ・ヴァレンティノ、アリス・テリー ア…

 映画評「夢の街」

原題「DREAM STREET」 製作国アメリカ D・W・グリフィス・プロダクション製作 ユナイテッド・アーティスツ配給 監督・製作・脚本D・W・グリフィス 出演キャロル・デンプスター、チャールズ・エメット・マック 「散り行く花」(1919)と同じ原作者に…

 映画評「嵐の孤児」

原題「ORPHANS OF THE STORM」 製作国アメリカ D・W・グリフィス・プロダクションズ製作 ユナイテッド・アーティスツ配給 監督・製作・脚色D・W・グリフィス 出演リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ 「嵐の孤児」はグリフィスの最後の傑作とも言わ…

 日本 皇太子の渡欧と早川雪洲らの来日

この年は、日比谷公園などで「皇太子殿下御渡欧映画」が公開された年でもある。皇太子(後の昭和天皇)の渡欧に際し、日活向島撮影所のカメラマンが同行し撮影したが、それは後で編集することになっていた。日活とは別に、毎日新聞社がゴーモン社のカメラマ…

 日本 記録映画、ニュース映画、アニメ映画 1921年

記録映画としては「日本アルプス横断」(1921)といった作品が作られている。 ニュース映画の分野では、岡本洋行が「シノグラフ」の名でニュース映画を製作するが、中止されている。 アニメを製作していた天然色活動写真(天活)に所属していた北山清三…

 日本 映画に対する規制

1921年、東京では警視庁による「興行場及興行取締規則」が制定されている。警視庁は、1917年に活動写真興行取締規則を制定していたが、これに代わる規則だった。 規則は、演劇、寄席なども一括して扱ったものであり、映画と演劇の脚本は同一規定にお…

 日本 文部省の映画施策−1921年

人々への影響力が大きくなった映画に対して、文部省はいくつかの施策を行っている。 文部省によって、映画の芸術的価値や映画説明の社会に及ぼす感化を弁士たちに説明するために、「活動写真説明者講習会」が開催されている。 また、映画文化に対する人びと…

 日本 輸入映画−1921年

1921年には次のような外国映画が日本で公開されている。「悪魔の合鍵」「狂へる悪魔」「幸福の谷」「サロメ」「怒髪天を衝いて」「ミラクルマン」「キッド」「モヒカン族の最後」「懐かしの泉」「奇傑ゾロ」「三銃士」「涙の船唄」(アメリカ)「呪の眼…

 日本 森岩雄の胎動

後に日本映画界の重鎮として活躍する森岩雄が、社会教化のための映画を製作していた活動写真資料研究会に入社している。 それまでにも森はシナリオを書いており、活動写真資料研究会のための脚本執筆も行っていたのだという。1921年11月から開かれた第…

 日本 国活 「寒椿」水谷八重子の初映画出演騒動

国際活映(国活)では、「寒椿」(1921)といった映画が製作されていた。「寒椿」は、舞台や映画で革新的な活動をしてきた井上正夫が、海外視察から帰国して最初に主演した映画である。華族の若様に見初められて奉公するようになった娘おすみには、幸福…

 日本 大正活映の映画製作の中止

1920年に設立され、「アマチュア倶楽部」(1920)を製作した大正活映は、「葛飾砂子」「雛祭の夜」(1921)といった作品を製作している。ともに、谷崎潤一郎脚本、栗原喜三郎(ヘンリー栗原)監督のコンビだった。 「葛飾砂子」では、主演の女優…

 日本 日活の変化

日活でも、田中栄三を中心に、映画革新運動が行われていたが、成功はしていなかった。1921年に新たに女優を出演させるなど純映画的な作品製作を行う第三部門を設立した。女形スターの反発もあり、いい作品もできなかったという。女形には、独自の美学も…

 日本 牧野教育映画製作所の設立

日活に所属していた牧野省三だが、日活から離れて自らの作りたい映画を製作したいという気持ちがあった。だが、日活側はなかなか省三の独立を認めなかった。日活で省三は、尾上松之助主演の「豪傑児雷也」(1921)を製作し、大ヒットさせている。「豪傑…