1926

映画評「駄法螺大当り」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]THE SHOW OFF [製作]フェイマス・プレイヤーズ=ラスキー [配給]パラマウント・ピクチャーズ[監督]マルコム・セント・クレア [製作補]ウィリアム・ルバロン [原作]ジョージ・ケリー [脚本]ピエ…

映画評「ロイドの福の神」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]FOR HEAVEN'S SAKE [製作]ハロルド・ロイド・コーポレーション [配給]パラマウント・ピクチャーズ[監督]サム・テイラー [製作]ハロルド・ロイド [脚本]テッド・ワイルド、ジョン・グレイ、クライ…

映画評「キートンのラスト・ラウンド」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [別題]拳闘屋キートン [原題]BATTLING BUTLER [製作] バスター・キートン・プロダクションズ [配給]メトロ=ゴールドウィン=メイヤー(MGM)[監督・製作]バスター・キートン [製作総指揮]ジョセフ…

映画評「黒い鳥」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]THE BLACKBIRD [製作・配給]メトロ=ゴールドウィン=メイヤー[監督・原案]トッド・ブラウニング [脚本]ウォルデマー・ヤング [撮影]パーシー・ヒルバーン [編集]エロール・タガート[出演]ロン・…

映画評「エドガー・アラン・ポーの鐘」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]THE BELLS [製作・配給]チャドウィック・ピクチャーズ[監督・脚本]ジェームズ・ヤング [製作]I・E・チャドウィック [原作]アレクサンドル・チャトリアン、エミール・エルクマン [撮影]L・ウ…

映画評「海の野獣」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]THE SEA BEAST [製作・製作]ワーナー・ブラザース[監督]ミラード・ウェッブ [原作]ハーマン・メルヴィル [脚本]ベス・メレディス [撮影]バイロン・ハスキン、フランク・ケッソン [出演]ジョン…

映画評「三悪人」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]3 BAD MEN [製作・製作]フォックス・フィルム・コーポレーション[監督・製作]ジョン・フォード [原作]ハーマン・ホイテカー [脚本]ジョン・ストーン [撮影]ジョージ・シュナイダーマン[出演]ジ…

映画評「イバニエスの激流」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]TORRENT [製作]コスモポリタン・ピクチャーズ、メトロ=ゴールドウィン=メイヤー(MGM) [配給]メトロ=ゴールドウィン=メイヤー(MGM)[監督・製作]モンタ・ベル [製作]アーヴィング…

映画評「ボー・ジェスト」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]BEAU GESTE [製作・配給]パラマウント・ピクチャーズ[監督・脚本]ハーバート・ブレノン [製作]ジェシー・L・ラスキー、アドルフ・ズーカー、ウィリアム・ルバロン [原作]パーシヴァル・クリス…

映画評「雀」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題] SPARROWS [製作]ピックフォード・コーポレーション [配給]ユナイテッド・アーティスツ[監督]ウィリアム・ボーダイン [原作]ウィニフレッド・ダン [脚本]C・ガードナー・サリヴァン [撮影]チ…

映画評「熱砂の舞」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]THE SON OF THE SHEIK [製作]フィーチャー・プロダクションズ [配給]ユナイテッド・アーティスツ[監督・製作]ジョージ・フィッツモーリス [原作]E・M・ハル [脚本]フランセス・マリオン、フレ…

映画評「真紅の文字」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]THE SCARLET LETTER [製作・配給]メトロ=ゴールドウィン=メイヤー(MGM)[監督・製作]ヴィクトル・シェーストレーム [原作]ナサニエル・ホーソン [脚色]フランシス・マリオン [撮影]ヘンド…

映画評「ラ・ボエーム」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]LA BOHEME [配給]メトロ=ゴールドウィン=メイヤー(MGM)[監督]キング・ヴィダー [製作]アーヴィング・サルバーグ [原作]アンリ・ミュルジェール [脚本]フレッド・ド・グレザック [撮影]…

映画評「ダグラスの海賊」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]THE BLACK PIRATE [製作]エルトン・コーポレーション [配給]ユナイテッド・アーティスツ[監督]アルバート・パーカー [製作・原作]ダグラス・フェアバンクス(エルトン・トーマス名義) [脚本]ジ…

映画評「肉体と悪魔」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]FLESH AND THE DEVIL [製作・配給]メトロ=ゴールドウィン=メイヤー(MGM)[監督]クラレンス・ブラウン [原作]ヘルマン・ズーデルマン [脚本]ベンジャミン・F・グレイザー [撮影]ウィリア…

映画評「ドン・ファン」

※ネタバレが含まれている場合があります[製作国]アメリカ [原題]DON JUAN [製作]ワーナー・ブラザース[監督]アラン・クロスランド [脚本]ベス・メレディス [出演]ジョン・バリモア、メアリー・アスター、ジェーン・ウィントン、ジョン・ローシュ、ワーナー・…

その他の日本映画 1926年

大正活映で小説家の谷崎潤一郎と共に「アマチュア倶楽部」(1920)などの野心的な映画製作を行ったトーマス栗原が、1926年に死去している。谷崎潤一郎は、大正活映がトーマス栗原による野心的な芸術映画をやめた段階で、すでに映画との関係を絶って…

キネマ旬報ベスト・テン 1926年度

1926年度の、キネマ旬報ベスト・ワン選出作品は以下の通り。 1926年から前回まであった「芸術的」「娯楽的」の区分が廃止された。また、外国映画のみだった対象に日本映画も加わるようになった。 ちなみに、当時は読者の投票により選出される形式だっ…

輸入映画−1926年

この年公開された映画としては、下記のような作品がある。 フランス 「鉄路の白薔薇」「翡翠の箱」「エルドラドオ」「生けるパスカル」「噫無情」「雪崩」 アメリカ 「アイアン・ホース」「殴られる彼奴」「海の野獣」「弥次喜多従軍記」「ダグラスの海賊」…

文部省の映画製作とニュース映画とアニメ 1926年

文部省は東京シネマ商会を使って、多くの教育映画を製作していた。「壷」「我国の古武道」(1926)が製作されている。 軌道に乗るところは多くなかったニュース映画の分野では、国民新聞社による「国民ニュース」が1926年4月よりスタートし、193…

新しい文化として日本人に受け入れられた映画

1920年代は映画が新しい文化として日本人に受け入れられるようになった時代でもある。1922年の当時の東京市及び隣接郡部には、112の映画館があり、年に1740万人の入場者があった。これは、人口一人あたりの平均入場回数5.07回だった。寄…

ドキュメンタリー映画 1926年

ドキュメンタリーの分野では、白井茂が震災から復興する東京の様子を撮影した「航空船にて復興の帝都へ」(1926)などが作られている。 1924年から1926年の大正時代末期には、教育映画業者82社によって製作・発売されたドキュメンタリー映画が…

マキノプロ 順調な映画製作と上がらない収益

衣笠貞之助が独立したマキノ・プロダクションだったが、昨年デビューした市川右太衛門が「快傑夜叉王」(1926)でスターとなる活躍を見せていた。他にも「影法師捕物帳」「新釈紫頭巾」(1926)などに出演している。「新釈紫頭巾」は、右太衛門の熱…

衣笠の試みと「狂った一頁」の反響

衣笠はそれまでの日本映画の語り口の常識を否定して、新しい映画表現を打ちたてようと試みた。フラッシュバックを盛んに行い、ショットの組み立てにリズミカルな興奮を持たせようとした。衣笠の試みは、ドイツの表現派の影響を超えた、世界的な水準において…

「狂った一頁」 衣笠貞之助の夢と挫折

1925年に、連合映画芸術家協会とマキノ・プロダクションの作品「日輪」を監督した衣笠貞之助は、映画のためのメモもできないほどの極度のスランプに陥り、市川猿之助の一人二役を演じた「天一坊と伊賀之亮」(1926)以外は映画を監督できずにいた。…

その他の松竹映画 1926年

かつて蒲田撮影時所長だった野村芳亭も、「カラボタン」(1926)で気を吐いた。野村の代表作とも言われるサラリーマン喜劇である。課長に昇進した桜井は、同僚たちにおごってばかり。そのため妻が怒って家出してしまい・・・という内容の作品だ。

阪妻・立花・ユニヴァーサル連合映画の設立

阪東妻三郎プロは、松竹と契約したほかにもアメリカのユニヴァーサルとも提携し、映画会社の阪妻・立花・ユニヴァーサル連合映画を設立している。 1926年3月頃から、ユニヴァーサルの日本支社が自社配給のアメリカ映画に日本映画を併営して配給しようと…

松竹 阪東妻三郎プロダクションと契約

自身のプロダクションを設立後、牧野省三の協力の下に、「雄呂血」(1925)などを送り出していた阪東妻三郎プロダクションは、製作4作目の「尊王」(1926)から松竹キネマと配給契約を行うことになった。 これにともない、阪東プロは下加茂スタジオ…

松竹 五所平之助が本領を発揮

1925年に映画監督としてデビューした五所平之助が、「帰らぬ笹笛」(1926)あたりから本領を発揮し始めた。「帰らぬ笹笛」は五所が原作を担当し、美しい田園を舞台に、夢多き少年たちが登場した作品だったという。 1926年秋には予備召集を受けて…

松竹 城戸四郎のディレクター・システムの実行と斉藤寅次郎のデビュー

松竹蒲田撮影所長だった城戸四郎は、それまでのスター中心の映画作りを廃し、ディレクター・システムを実行しようとした。そこで島津保次郎を先頭に、五所平之助、小津安二郎、清水宏、成瀬巳喜男、斎藤寅次郎らの新鋭にチャンスを与えた。 斎藤寅次郎は19…